第四話 和装

和装が好きです。



まず女子の和装についてです。浴衣ももちろん良いですがちゃんとした和服の方がもっと好きです。振袖とか留袖とかそういうやつですね。布の厚さと艶やかさがとても好きです。そういうわけでちりめんっぽい素材のものより分厚い感じのの方が好きだったりします。ここらへんあんまり詳しくないけど。街中で訪問着みたいなの着て歩いてるおばさまとか見るとおおおーってなっちゃいますね。若者の着るものとしては、振袖が良いのは当然として、袴もかなり好きです。大学の卒業式でみんな着ますね。あの独特のマットなグラデーションが最高です。振袖は裾が詰まってるので上半身が大きくて下半身が小さい感じになりますけど、袴は下半身が広がってるっていうのも可愛くていいですね。袴の強みは洋風の小物にも合わせられるところです。大正ロマンな感じに頭の後ろに大きなリボンをつけるとかやってみたいですね。履物にブーツを選ぶのも大変良いです。最寄り駅に大学があるので卒業式の日は眼福です。

女子は和服自体もいいですが和小物も良いです。髪に挿すかんざしなんかは激アツですね。かんざしが好きすぎて中高の頃時々頭に挿していました。セーラー服にかんざしってのもそれなりに見映えのするものだったと思います。でもやっぱり和服に使いたいですよね。あれはちょっと洋風のデザインだったし。あとは和傘が大好きです。赤一色のが一番ありがちだと思いますがそれもよし、黒地に桜なんかの柄入りでもよし。

「女子の和装といえばうなじ」みたいな風潮がありますが、個人的にはそれには賛同しかねます。確かに和装の特徴的な部分ではありますが、私はうなじというよりむしろ髪型の方に目が行くタイプです。きっちりまとめてるのでもお上品で素敵ですし、お団子が花みたいに細かくちりちりになってる髪型(何ていうんでしょう)も素敵です。髪飾りも多種多様ですしね。かんざしはもちろん、Uピンの飾りにも可愛いのはありますし、もしかしたら生花を挿したりもできるのかもしれません。頼んだらしてもらえそうですよね。夢が広がります。


それから男子の和装についてです。男子は成人式でも卒業式でも基本的に和服を着ないので、見かける和装は9割方浴衣ですね。男子の浴衣姿は女子の浴衣姿に比べてシンプルですが、とてつもなく好きです。まず、夏祭りに行くとなったら女子は半分以上浴衣を着ると思います。8割くらい着るかもしれません。それに対して男子の浴衣率は比較的低いです。男女カップルで花火大会に来て、女子だけが浴衣を着ている姿というのはかなりよく見ます。しかしそれだけに、お祭りの場で浴衣を着ている男子というのは貴重でかっこいいものです。男子の浴衣は基本的に地の色が黒か濃紺で帯の色がその逆ということが多いと思います。そうなると全体的に暗い色でまとまっていてとても締まって見えるわけです。洋装だと上が黒いシャツなら白いズボンを履く、というように色をばらけさせることが多いと思うので、ワンピースを着ない男性が1色でまとめている着こなしというのはなかなか貴重です。洋装ではやりづらい「全身黒」を和装では簡単に実現できるわけですね。しかも服が筒状なのですらっとしても見えます。着るしかない。

男性の袴というのは浴衣に比べてあまり好きではないのですが(上下が分かれていてツートンカラーなのが先述の好みに合わないのかもしれません)、先日大学の構内を「袴+(戦前の学生か今の警官みたいな)学帽+丸メガネ」という格好で自転車で疾走している男子学生を見ました。あれはかなり良かったですね。全身コーディネートがあそこまで行くと徹底していて見とれちゃいます。


ここまで和装が好きなわけですが、自分ではし○むらで買った安い浴衣1枚しか持っていません。それでも美容院の人に教えてもらって自分で着られるようになったのですが、やっぱり浴衣以外のものは難易度が高そうです。着付けを習いたい気持ちはありますが、浴衣以外何も持っていないのでどうしようもありません。和服はそもそも高いし維持費もかかるし着付けを習うのにもお金がかかるし大変です。いつかはお金をたくさん稼いで和服を好きに着られるおばさまになりたいものです。それまではちまちまと浴衣を着つつみんなの和装を眺めて楽しむことにします。


みんな和装をしよう。



それではまた。