第六十二話 チャーハン

チャーハンが好きです。

 

 

体調不良には薬ですね。

 

「チャーハンが好き」と言っても、食べ物としてのチャーハンの好き度は並です。中の上くらい。じゃあなぜチャーハンが好きだと言うのかというと、私はチャーハンを作るのが得意だからです。チャーハンを作るのが好きだというわけです。

 

母は小さい頃からよく料理をしていたらしく、おそらくかなり料理が上手いです。まずいものを作った試しがほぼありません。ちゃんと作れば当然おいしいし、適当に作っても普通においしいものができます。対して料理をほとんどやってこなかった(最近やらされていますが)私は何を作っても母に比べると見た目も味も今ひとつです。そんな私が母より上手く作れる(と思っているし言われている)のがチャーハンです。

 

チャーハンを作るコツは、チャーハンを焼き飯だと思うことだと思います。チャーハンは漢字では「炒飯」ですが、炒め飯だと思ってざっと火を通すだけだと加熱が足りない柔らかめのチャーハンになってしまいます。そもそも我々がチャーハンを作る時は炊いたご飯を使うわけです。何なら冷凍ご飯を解凍して使っていてやたらと米粒の周りに水気が多かったりします。一旦水気をたっぷり吸わせてしまった米をパラパラのチャーハンにしたければ、とにかく水気を飛ばすしかないのです。まずご飯を入れる前に油をひいた鍋をしつこいくらい猛烈に加熱します。卵とご飯と調味料をぶち込んだ後、卵や調味料が全体に行き渡るまでは熱心に混ぜることが必要ですが、その後は辛抱強く「焼く」といいと思います。時々混ぜますが、私はその時に下の方が半分おこげのようにフライパンの底の形に固まっているくらいまで焼くことにしています。それをほぐしてまた放置するわけです。結構時間がかかります。

 

「焼く→下の方が半おこげ状態になる→ほぐす→焼く」を繰り返していくことで全体が硬めのご飯になります。こうすることで一粒一粒が丈夫なチャーハンになるわけです。ネギを入れるならこの後がいいでしょう。ネギ、めちゃくちゃ焦げ付きやすいですからね。

 

料理を作ったらやっぱり味を褒められたいものです。料理が上手い上に何でも辛口な母が「あんたのチャーハンはおいしい」と言ってくれるので、チャーハンを作るのが好きになるのも当然でしょう。最悪お米さえあれば作れるしね。

 

ちなみに我が家で中華料理を作る時には「味覇」が必需品です。これ、めちゃくちゃおいしいんです。うちでは昔から使っていましたが、少し前に流行っていたような気がします。チャーハンの味付けも中華スープの味付けもこれ一つで可です。私はチャーハンには山ほど胡椒を入れますが、胡椒がなくても十分おいしいです。やや高いですが、ものすごく味の濃いものなので一缶買えばかなり持ちます。私はたまーに元気の出ない時にこれをスプーンの先ですくってなめます。そうすると旨味と塩気の暴力ですごい顔になれます。怪しいクスリよりよっぽどおすすめです。めちゃくちゃ便利でおいしくてしかもなめれば元気が出る。みんなにおすすめしたい常備調味料ですね。

 

最後味覇の宣伝になってしまった。でも味覇の開発者の人も「そのままなめる」は利用法として想定してないんじゃないかなあ。

 

これを見て自作チャーハンに革命が起きた人がいたら連絡ください。そんなもんいないでしょうけど。

 

 

それではまた。